2011-07-19

強いぞ、松本城



海の日を含む三連休の真ん中の日曜日。
に参加してきました。

背景にあるのは、6月30日に松本市を震源とする
マグネチュード5~6の地震が発生したこと。
「松本城にもヒビが入った」と声高に報道され、
あたかも「やられた! もうダメだ」という印象を与えましたが、
いやいや逆ですわ。表面程度のヒビで済んだわけで、
松本城がいかに堅牢なのかがこれで証明されたんですよ……
ということを広く知ってもらうのが、今回のテーマというわけです。


太い梁がいたるところを貫く城内部。
ツアーでは普段観光客が入れない部分まで潜入し、
建築構造の特徴をたっぷり見せてもらいました。

松本城は特にインテリアうんぬんより、
“いかに強固であるか”が追究された建物なのだなあ。
だって襖絵とかで彩られたゴージャスな部屋はほとんどないし、
全体的に質実剛健な印象。
ちなみに写真の梁に入っている金属の補強は、昭和の大改築で成されたもの。
時代が進むごとに、堅牢性が高まっているようです。


各種メディアでとりあげられた、乾小天守(いぬいのこてんしゅ)のヒビ。
しっくいの表面5mm程度に入っただけであることは、
実際見ればすぐわかります。
壁が揺れを吸収したために生じたわけで、いわゆる「よいヒビ」ですね。
建築を学んでいた人から聞いたのですが、
建築学的にはヒビにもいちいち名前があり、
しかも「よいヒビ」と「悪いヒビ」があるそう。
……また聞きのアバウトな話ですみません。

以前、また別の建築家から「城って建築史から冷遇されてて、
大学とかでも触れる機会がほとんどないんですよ」
という話も聞いていたのですが、なかなかどうして、
城建築はかなり考え抜かれた試行錯誤の結晶であることが、
今回参加してみてよ〜くわかりました。
建築構造の視点から松本城を見る、よき機会でございました。

おまけに、松本城の応援に来ていた「ひこニャン」や「アルプちゃん」に
会うこともできたわん。写真は手を引かれて歩く「あるくま」。


楽しかったな〜。(ÄwÖ)